実践教育訓練研究協会の設立から現在までの沿革についてお話しされ、次に高度職業訓練を取り巻く情勢として、経済や産業における構造変化、グローバル化、高度情報化が進展していること、2009年には大学志願者収容能力が100%になる中での学校教育における教育改革プログラムのこと、また「日本技術者認定機構」(JABEE)の設立や「ものづくり基盤技術振興基本法」の制定などとめまぐるしい変化の中にあることが話されました。
このような中で雇用・能力開発機構の将来を担うであろう高度職業訓練の中の応用課程についての現状や課題についての問題提起がなされた。
その内容は、応用課程は高度職業訓練の中に位置づけられ、その目指すところは高度実践技術者の育成にあること、企業の業種や規模によって実践技術者の定義はさまざまであるが、機構が求める実践技術者は技術者と技能者の中間に位置する人材であり、技術者に技術士、技能者に技能士の資格があるように実践技術者にも実践技術士という資格制度を作るべきと提案されました。
次に、応用課程の教育訓練システムの特徴を紹介されました。ものづくり現場を教育訓練の場に持ち込むことを考えた実学教育であることや、製品の企画開発等具体的なものづくり課題を設定し、課題を解決する行為の中からそれまでに習得してきた技能技術を応用する能力を養う課題学習方式を導入していること、各人が専門性を発揮して共通の課題に取り組む人的編成を行うワーキンググループ学習方式を導入していることなどの特徴を話されました。
そして、それに対する企業側の応用課程への期待度や訓練生の側から見ての教育システムの意義をアンケート結果を示しながら説明されました。
最後に、問題提起として応用課程は21紀の新しい教育訓練システムの構築を秘めていることや、職業訓練と学校教育の関係は改善強化されるべきであること、実践技術者の資格を考えるべきであること、技能の見直しを再認識すべきであることなどが提起されました。 |

職業能力開発総合大学校/実践教育訓練研究協会理事
山見 豊氏
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