●3● JISSEN NEWS 2007.冬 No.154



職業能力開発総合大学校 ソーラーカー同好会
'06年鈴鹿ソーラーカー大会で好成績
(エンジョイクラス第8位/ミツバ賞第1位)

 2006年8月6日AM11:20真夏の日差しを受けた鈴鹿サーキットのホームスタンドの前に姿を現した能開大7号改が4時間の耐久レースのゴールチェッカー誇らしく受け、ピット前を通過していく。鈴鹿に挑戦8回、始めて4時間完走にスタッフ全員が帽子大きく振って、ドライバーが右手を挙げて答えて31周完走・8位(ミツバ賞1位)の成績を共に喜びを体感した瞬間でした。
能開大のソーラーカー同好会は、1994年に電子工学科の学生が結成しました。知識や技術、資金力、全てがゼロから出発した同好会は、多くの課題にぶつかりながら少しずつ成長してきました。『ものづくり』にあまり興味を示さない昨今の学生気質もあってか会員の仲間が増えず成績も活動も低迷していたことも。そんな時には、ソーラーカーの活動は『ものづくり』の楽しさを体験するにはベストで人間本来の欲求と信じて活動を進めてまいりました。
数年前に、二人の留学生が同好会に参加してきたことにより活動に変化が出てきました。彼らは日本人の若者が忘れ掛けていた『ものづくり』の現場に興味を持ち、積極的にソーラーカー活動に参加することにより活動が拡大していきました。ソーラーカー活動はいろいろな知識や技能が必要で

1) 作るための製図力(CAD製図)
2) 機械加工技能(ボール盤、旋盤、フライス盤、バンドソー)
3) 車体作りのアルミ溶接技能  
4) 配線、コントローラー電子機器の知識&製作技能
5) FRP活用のボディ製作技能
6) 部品の組立調整技能(ヤスリ、金のこ等の手工具)
7) 大会に向っての日程管理能力(マネージメント力)

などがあります。私達の同好会は会員全員がスペシャリストになることが理想ですが、限られた時間の中では難しいので一人一アイテムのスペシャリストを目指して学び成果を他の学生に指導して全体として能力を高める方法で展開をしています。そして、四年間の活動の積み重ねによりソーラーカーが作れることを目標としています。
自分で考えた物が形になれば『ものづくり』はやれば楽しいはずですが、それだけで不足で作った作品が他の作品と比較して評価されることが実は大切なのです。単なる自己満足で終わらず次のステップアップにつながる為には社会的な評価がなされ、喜んだり、くやしがる体験が人間を成長させるものと考えます。それにはソーラーカーを製作し、レースに出場することは『ものづくり』の大切さを学ぶ大きな効果が期待出来る活動と思い、これからも鈴鹿に挑戦を続けてまいります。
(職業能力開発総合大学校 非常勤講師 小口重夫)



快走する能開大7号改

能開大ソーラーカー同好会スタッフ

('06年鈴鹿ソーラーカー大会のTV放映DVDを貸し出します。能開大ソーラーカー同好会まで)